劇場版CLANNAD

劇場版CLANNAD、観にいってきました。
以下ネタバレあり感想。
自分としては、思ったより良かった、という印象なんですが、帰りエレベーターで一緒になったヲタクさん数人組の会話を盗み聞きしてたら、どうも出来が悪かったという評価で一致していた様子。
このズレはなんなんだろう、と最初思ったのですが、よく考えてみると、個人的には劇場版AIRのトラウマがあって、劇場版CLANNAD全く期待してなかったので、その割にはよかった、という評価になったのではないかと思います。
とりあえず、AIRのときよりは、ずっと出来がよくなってると思います。少なくともゲームの雰囲気は(AIRに比べれば)かなり原作に近いものになっているし、ストーリーも、既にプレイした人が観ることを意識できている、と言えそうです。
文句の多そうなラストも、まあ2時間以内で渚ルートを語れと言われたら、あれが一つの解だったとは思いますし…。うーん、あのラストはやっぱりちょっと微妙ではありますけど。
何より「小さなてのひら」使うのは反則です。自分の中でどうやら涙フラグになってしまってるらしく、ちょっと涙腺ゆるみかけました。シーンとか関係なく、歌に泣かされかけた…。
他にも、マルメロを使ったのも良かったと思いますし、春原とか古河夫妻とか、少し誇張目に表現された各キャラの性格も、まあ許容範囲です(杏を除く、後述)。


とまあ、ひとしきりほめたところで、ここから文句を。
まず、テクニカルタームでどう言うのか知らないんですが、絵がちょっと劇画調っぽくなる演出。AIRのときからよく使われていたので、監督さんの趣味なんじゃないかと思うんですが、あれ、たぶんあんまり使わないほうがいいと思います。しかも、多用しすぎ。
それから、画面を中央で二分割する演出も、素人がどうこう言っていいことじゃないかもしれないけど、ちょっとどうかと思います。なんかやり方が単調で、何回かめに「またこれか…」と思っちゃいました。
あと、本編ではないんですけど、智代はともかく杏の扱いがひどすぎです。あれじゃ完全に智代の金魚のフンです。終盤落ちこむ朋也の晩御飯作りに来るのは、どう考えても智代よりは杏の役目だったはずです。だったらこの後杏がソロで出てくるところがあるんかなー、と思ってたら、結局何もなしで終わるし。
他に、ことみが姿しか出てこなかったり(しかもことみがあんなことするはずない、という役柄)、公子は出てくるのに妹の風子が影も形も出てこなかったり、まあ、このあたりは、渚ルートしか語らないんだったら仕方ない、と言ってもいいとは思いますけど。


とにかくまあ、結論としては「別物としては良かったと思う。が、あまりオススメはしない。どちらかというと10月に始まる真打に期待」といったところでしょうか。CLANNADは難しいと思うけど、京アニならなんとかしてくれる、きっと…。